20年前「信託会社・・・・・」と言われたとき、漢字的になんとなく信用を託す?会社。と読めますが
意味は?って言われたら、私はわかりませんでした。わかる方はこの記事は読まなくても大丈夫です。
契約者⇔信託会社⇔保険会社の契約
保険契約の際、通常はご自身が契約者となり、保険会社と直接契約するのが一般的ですが(下図1)
海外の保険契約の際、海外法人や信託会社を介して契約する形態もございます(下図2)。
海外法人を利用する場合は、法人設立費用や維持コストが掛かりますので、ある程度の大きな保障でないとメリットが出にくいですが、
信託設定ですと、信託費用自体もそれほど負担にならず、また解約返戻金や死亡保険金を受取る際に、二重課税を回避できるメリットがあります。
先日の個別相談で、あまり聞きなれない信託会社なるものが介在する保険契約についてご心配される方がいらっしゃいましたので、今日は下図2の、信託会社を介した保険契約形態について解説いたします。
信託契約と保険契約
信託とは、「自分の大切な財産を、信頼できる人に託し、自分が決めた目的に沿って大切な人や自分のために運用・管理してもらう」ことです。
図2の信託会社を介して保険契約することは「自分のため(家族のため)の保険契約を、信頼できる信託会社に託し、自分が決めた目的に沿って管理してもらう」ことです。
ですから保険という財産を信託するために、まずお客様が信託会社と信託契約を締結します。
ただこの信託契約は、あくまで保険契約のみ信託しますので、一般的な信託費用より安価で済むのが特徴です。
〔信託契約の条件〕
信託委託者:お客様
信託受託者:信託会社
信託財産:保険契約
委託者死亡時の財産受取人:お客様のご家族
信託費用:200~300米ドル程度/年
次に受託者である信託会社は、お客様(委託者)の意志に従い「保険契約」をします。
〔保険契約の条件〕
契約者:信託会社
被保険者:お客様
受取人:信託会社
保険料支払い:お客様
信託契約中に死亡したら
もし信託契約中にお客様(=保険契約の被保険者)が亡くなってしまった場合、保険会社は、保険契約の受取人である信託会社に死亡保険金を支払います。
次に信託会社は信託契約に則り、委託者が残した財産を、委託者が指定した受取人に引き渡すことになります。
つまり信託会社は、保険会社から受領した死亡保険金を、お客様のご家族に支払い、信託契約が終了となります。
法律で守られる保険契約
先日香港の保険商品のお申込を検討されているお客様から、
「保険会社自体はS&Pの格付けも言うことないので信用できるが、信託会社についてはよくわからないし、委託者の許可なしに信託財産(保険契約内容)を変更されたりする可能性はないのか。」
(例:保険契約主の第三者への変更)といったご質問をいただきました。
〔契約形態〕
信託委託者 :お客様
信託受託者 :信託会社(保険会社が指定する信託会社)
信託財産 :保険契約
保険会社 :保険会社
保険契約主 :信託会社
被保険者 :お客様
つまり上記の契約形態から、もし信託会社が悪意をもって、保険契約上の契約者を信託会社から第三者の個人に変更し、お客様は保険契約を失う可能性について心配されておりました。
1.香港の信託会社は、香港信託条例(Hong Kong Trustee Ordinance)の下で規制されております。もし信託会社の社員やその代表者が、信託委託者の意志に反して、信託財産(保険契約)の内容を変更したり、窃盗するようなことがあれば、これは犯罪です。
2.信託会社は保険会社によって指定された会社です。
3.保険会社は、信託契約中、保険契約主を信託委託者もしくは保険契約の被保険者以外に変更することを認めていません。また保険会社が認める契約主変更は、被保険者の配偶者やご子息といった受益権を有する者のみです。(これは保険会社の社内管理ルールにもなっております。)
4.もし信託契約中に契約主変更をする場合、保険契約を手続きした保険ブローカーが理由説明する必要があります。
5.保険契約内容の変更の際は、保険会社は必ず契約手続きをした保険ブローカーにその連絡をしますので、従って弊社もその連絡を受けることになります。
以上のことから、香港の条例と、保険会社内のルールによって、信託会社の信用面でのリスクは限りなく低いと言えます。
香港で保険を契約する場合、介在する会社・人は、
・契約者(お客様ご自身)
・保険会社(保険契約)
・信託会社(信託契約)
・保険ブローカー or 保険代理店(事務手続き)
・(弊社のような)サポート会社(事務手続きサポート)
となり、複数の様々な立場の会社・人が介在しますので、その関係性が複雑になりがちですが、スキームをしっかりご理解いただければ、十分安心していただけるはずです。ご不明な点はお問い合わせください
詳しく知りたい方はお気軽に弊社の個別相談をご利用ください。
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(現在は香港への渡航は不要です。)
個別相談の進め方等につきましては以下のブログをご確認ください。