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【インドネシア駐在員】インドネシア駐在中に実践可能な3つの資産運用方法をご紹介します

今回はインドネシア駐在中に実践可能な3つの資産運用方法をまとめました。

インドネシア駐在員が抱える資産運用の問題

①日本の金融機関のサービス利用に制限がある

証券会社(日本)

日本非居住者の証券口座は解約もしくは取引が停止となります。
証券会社によって解約なのか取引停止なのかの対応は異なりますが、いずれにしても株式や投資信託の売買が出来なくなります。
また、インドネシア居住中に新規で日本の証券口座開設をする事は出来ません。
(常任代理人を設定する事で外国居住者でも証券口座開設を引受している証券会社はあります。)

銀行(日本)

証券会社と同様にインドネシア居住中は新たに投資信託を購入する事や売却する事は出来ません。
積立の場合はプランが停止します。

生命保険会社(日本)

日本国内居住者を代理人として指定する事でプランを継続する事が出来ます。
インドネシア居住中は新規加入や特約追加、契約の復活は出来ません。

②インドネシアの金融サービスは原則インドネシア居住者向けの為、駐在員の資産運用に適さない。

証券会社(インドネシア)

インドネシア駐在中のみ取引を行う事が出来ます。
インドネシアの証券口座は日本帰国後に証券口座を閉鎖する必要があります。
BNI証券で聞いてみました。

Q. 日本人は証券口座が作れますか?
A. できます。
オンラインで登録
https://www.bnisekuritas.co.id/reg/
下記のファイルをPDFを添付が必要
・パスポート ・KITAS(居住者ビザ) ・銀行通帳の最初のページ(口座番号を書いてあった所)
※銀行の通帳はインドネシアの銀行のみ

Q. 日本へ本帰国する場合、口座は維持できますか?
A. BNI証券の窓口では、できますと言われました。しかし、基本的には本帰国時は証券口座の閉鎖が必要になる国がほとんどです。確認が必要ですね。
インドネシアというか海外あるあるですが、対応してくれた方が、できます。と言いましたが、実際はできなかったりするので、同じ会社の別支店で聞くとか、別日に他の担当者に聞くなどし、クロスで確認が必要です。

銀行(インドネシア)

インドネシアの銀行口座は日本帰国後に銀行口座を解約する必要があります。
従って銀行が販売している投資信託を購入する場合は注意が必要です。

生命保険会社(インドネシア)

インドネシアの生命保険は日本の銀行口座で保険金を受取る事が出来ません。インドネシアの銀行口座もしくはインドネシア国内の小切手のみとなります。生命保険商品は短期で解約した場合、株式や投資信託よりもマイナスとなるリスクが高い場合があります。

③金融用語やリスクなどの細かい内容を日本語で知りたい。

金融商品を購入する際はリスクの理解が大切です。日頃、英語で仕事をしているとしても専門用語や税金、相続などの詳細は日本語で知りたい人が多いかと思います。
(特に相続時は家族が手続きをする必要がありますので言語の重要性は高まる場合があります。)
外国人担当者が仮に日本語を話す事は出来たとしても細かい点はどうしても伝わりにくいため、専門的知識と経験のある日本人が対応してくれると安心に繋がります。

インドネシア駐在員の資産運用における問題解決の基準

インドネシア駐在員の資産運用における問題解決の基準は以下の3つです。

・日本への本帰国または別の国に駐在しても変わらず契約を続ける事が出来るかどうか?
・日本の口座で資金の受取が出来るかどうか?
・日本語で全てのサポートを受ける事が出来るかどうか?

全ての条件を満たしている資産運用の方法を3つ厳選してご紹介します。

インドネシア駐在中に実践可能な3つの資産運用方法

香港の貯蓄型生命保険
シンガポールの証券口座(フィリップ証券)
日本の証券口座

①香港貯蓄型生命保険

アジアを代表する国際金融センターである香港は世界中の顧客を対象としてビジネスを行っています。
インドネシア居住中に契約をした保険商品は本帰国した後もプランを継続する事が出来て、日本の銀行口座で保険金を受取る事が出来ます。契約内容のお知らせも日本国内の住所宛に郵便で届き、専用アプリ等で資金の確認も出来ます。また弊社では東京と埼玉にサポートデスクを置いています。日本語でのやり取りの他、手続き等は国内郵便で行う事が出来ます。

香港の貯蓄型生命保険は長期で安定的な収益を確保する事が出来ます。
学資金や老後資金等10年以上先の資金を準備する場合に適しています。
主なリスクは以下です。

  • 為替リスク
  • 流動性リスク

貯蓄型生命保険のデメリットは短期で解約した場合に元本割れをします。
従って無理のない保険料で契約する事が大切です。
インドネシア駐在となった際に香港の貯蓄型生命保険の情報を取得する事をお勧めします。

②シンガポール証券口座(フィリップ証券)

フィリップ証券とはフィリップキャピタルグループの1社です。シンガポールに拠点を置き、世界16か国と地域に展開しています。5,000名以上のスタッフを持ち、総預かり資産350億米ドル以上のグループです。
フィリップ証券は日本語デスクがあります。

https://jpweb.poems.com.sg/about-japanese-desk/

シンガポール株、日本株、中国株、アメリカ株、イギリス株、ドイツ株、タイ株、インドネシア株 等々幅広い市場で株式を購入する事が出来ます。
フィリップ証券に確認したところ、日本帰国後は日本のフィリップ証券に移管出来るようです。
この点は今後変更の可能性もあるとの事なので、必要に応じて随時確認をする事をお勧めします。

インドネシア居住中の口座開設の流れは以下です。

1)パスポートと住所証明書(銀行ステートメントもしくは英文在留届出済証明書等)を用意し、フィリップ証券のHPからオンライン口座開設を選択します。
https://jpweb.poems.com.sg/open-an-account/
2)必要事項を入力します。 入力に不明な点があった場合でも日本語デスクがサポートしてくれるので安心です
3)審査が終わるとご本人認証として指定口座へ送金を行います。
ご本人認証はFATF加盟国(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)の銀行口座から送金を行う必要がある為、FATFに加盟していないタイの銀行からの送金やWISEなどの送金代行業者からの送金はご本人認証となりません。
その他のご本人認証としてはパスポートおよび住所証明書類のコピーの公証人役場にて認証を受ける方法もあります。

フィリップ証券の口座開設や売買方法等の詳細については改めて記事にします。

③日本の証券口座

親が日本の証券口座を開設し株取引等をした後、日本帰国後に自分の証券口座に株式を移管した場合についてご紹介します。

1)親が購入した株式を日本帰国後に譲渡を受ける場合。

1.日本帰国後に親と同じ証券口座を開設します。
2.証券会社に連絡し異名義移管に必要な書類を取り寄せます。
3.移管時の株式の時価で親から購入し自分の証券口座へ株式を移管します。
SBIの場合移管手数料は無料です。(投資信託は有料)
手数料がかかる証券会社もあります。

親から株式を購入した場合の税金は?

親が購入した株式を日本帰国後に親から無償で譲り受ける場合、年間110万円以上は贈与税が発生しますが、親から株式を買取した場合は贈与税がかかりません。

ただ売却した親の譲渡益が20万円以上となった場合に譲渡益に対して20.315%が課税されます。

また買取した金額については贈与税の評価額とは考え方が異なり、取得した日の株価となるため注意が必要です。

この方法を実行する場合は後々にしっかりと売買を証明できるように下記2点を残すほうが良いでしょう。

  1. 売買契約書
  2. 親に送金した履歴

証券口座の取引は本人が行う必要があります。第3者が取引を行う事を目的に口座開設をしますと仮名・借名取引となり取引停止や口座解約の措置を取られる場合がありますのでその点は注意が必要です。

仮名・借名取引であると判断されるケース

①架空の名義あるいは他人の名義を利用して取引を行っている
②家族や友人などから取引の全てを一任されている
③複数人でひとつの口座を利用して取引を行っている

まとめ

今回はインドネシア駐在員が実践可能な3つの資産運用方法をまとめてみました。
インドネシア駐在中の資産運用は本当に難しいと感じてしまいます。
インドネシア駐在中でも出来ると言われている海外の金融商品もありますが、正直怪しい商品が多いのも事実です。
その他、異常に手数料が高いのも見受けられます。
リスクに対してのリターンが適正であるか?冷静に判断をする事が求められます。
また、資産運用を行う際は加入出来ることだけでなく、資金を安心して受取る事がとても大切です。

最後までお読みいただきありがとうございます。
インドネシア在住中の資産運用について、お気軽に弊社の個別相談をご利用ください。

個別相談のお客様の声はこちら(現在は香港渡航不要です。)

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Tomohisa Nakagawa

Global Support Indonesia代表。1975年生まれ。静岡県静岡市出身。大学卒業後、食品会社に就職し総務部配属された後、人事・保険の責任者となって生保・損保保険に携わる。34歳で起業し、翌年GLOBAL SUPPORT LIMITEDに加入。42歳の時にGLOBAL SUPPORT INDONESIAを設立。現在はインドネシアで資産運用コンサルティングを行っている。

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